今回はネットワークの技術を支えるプロトコルの下位層について解説するよ!
プロトコルというと前回やったところですよね?覚えてるか不安だなぁ
不安があれば前回やった内容を復習しながら、今回進めれば大丈夫。
プロトコルの基本概念さえわかっていれば、その中の下位層について解説しているってわかると思うよ。
下位層について勉強すると、し、試験以外に役に立つんですかねぇ?
実は結構役にたつ!どうしてルーターやらIPアドレスが必要なのかがわかるんだ。
するとネットが繋がらなくなった時にどう対処すればいいのかが明確になってくるよ。
す、すごい!
自分でトラブルシューティングできるようになれるってかっこいいです。
じゃあ、そんなネットワークの下位層について解説していくよ。
データリンク層
同じネットワーク同士をつなげる
データリンク層は同じネットワークに属しているコンピュータ同士を繋ぐためのルールを定める層だよ。
同じネットワークというのは一般的にブロードキャスト(全員あての同報通信)が届く範囲を示している。
とりあえず全員あてに通信を飛ばした時に、情報を受け取ってくれる範囲。
イメージとしては同じ家に住んでいる住人同士が同じネットワークに属している感じだ。
MACアドレス
同じネットワーク同士内での通信にはMacアドレスと呼ばれる名前を使って通信をする。
コンピュータのNICと呼ばれる部分に刻まれたMacアドレスは、必ずコンピュータ1つに1つあって他のコンピュータとは被らない名前になっているんだ。
完全な固有名詞がMacアドレスだね。だから相手のMacアドレスさえわかればMacアドレスを使って通信ができるわけ。
こ、これまでMacアドレスなんて考えたことなかったんですが、これってパソコンを買った時にすでに設定されているんですか?
工場でパソコンが作られたタイミングで刻まれるのがMacアドレスだから基本的には変えられない値で、普段使う分には全く意識することはないアドレスになるよ。
イーサネット
イーサネットは、物理層~データリンク層の規格でケーブルを使う通信というイメージでいいよ。
通信の基礎的な電子信号を行う規格で、通信がケーブルの中で衝突してしまうのを防ぐCSMA/CD機能なんかが搭載されている。
ケーブルからの給電ができるPoE技術なんかも生まれたのはイーサネットがきっかけなんだ。
Macアドレスで通信する際は無線でもできるけど、イメージとしてケーブルが繋がっている絵の方がわかりやすいと思う。
ケーブルが繋がっている同士がLANという同じネットワークにいるイメージも湧きやすいし!
ネットワーク層
続いて別のネットワーク同士を繋ぐプロトコルであるネットワーク層について解説していくよ。
データリンク層まではあくまで同じネットワークに存在するコンピュータに対して、Macアドレスで通信してきたわけだけど、流石にインターネット全てにあるコンピュータのMacアドレスを把握して通信するのは大変すぎる。
そんな時に生まれたのがルータとネットワーク層だ。
ルータがネットワークを繋ぐ
ネットワーク同士を結ぶのに使われるのがルータ。
別のネットワーク宛の通信を受けたら、適切なネットワークへ繋ぐ仕事をするよ。
郵便屋さんみたいなイメージだね。
郵便の場合は住所によって適切な場所へ贈り物が届いて、ネットワークの世界ではそれがIPアドレスと呼ばれるもので適切な宛先に届くんだ。
IPアドレスとは
IPアドレスは実世界でいうところの住所にあたる。
その実態は32桁の2進数なんだ。
こんな感じの数列だね。「11000000 10101000 00000000 00000001」
ただの数列だと人間が読むのが難しくなるから、8桁ずつブロック分けしているよ。
そしてさらに2進数を10進数に直して192.168.0.1なんて表記にするのが一般的だ。
IPアドレスには実は住所と同じように、ある程度の場所までわかるようになっているんだ。
東京都、港区、みたいに同じ方面に住んでいる人は最初の方の住所が似たような感じになってるよね。IPアドレスも実はそうなっていて、前半部をネットワークアドレス部(同じネットワークで共通の部分)後半部をホストアドレス部(同じネットワーク内で異なる部分)となっているんだ。
同じネットワークを指しつつ別々の住所になるIPアドレスを制御するためにサブネットマスクという考え方があるよ。
サブネットマスク
サブネットマスクはIPアドレスのどこまでがネットワークアドレス部か、どこからがホストアドレス部かを示すよ。
例えば「192.168.0.1」というIPアドレスがあって、サブネットマスクが「255.255.255.0」とあったとする。
この時サブネットマスクの10進数をまずは2進数に置き換えるすると「11111111 11111111 11111111 00000000」という形になる。
これとIPアドレスを見比べることで1となっている部分はネットワーク部、0となっている部分はホストアドレス部ということになるんだ。
つまり今回の例だと「192.168.0」の部分はネットワーク部、最後の1がホストアドレスを示しているってわけ。
ネットワーク部だけを見ることで、IPアドレス同士が同じネットワークに属しているかがわかるんだ。
ね、ネットワークが同じっていうのがわかるといいことがあるんですか?
ネットワークが同じっていうのがわかるのは結構大きいんだ。
住所でも直接番地を行くよりもおおよそ東京方面だったり、港区方面ってわかったほうが届けやすいよね?
それと同じでネットワーク部で大体の方向が分かればルータとしてもネットワーク部で振り分けやすくなるってわけ!
サブネットマスクはどこまでが1であるかが重要だから「255.240.0.0」を「11111111 11110000 00000000 0000000」という感じに瞬時に変換できるようにしておこう。
そしてIPアドレスに線を引くイメージができるとネットワーク部とホスト部を読み解くことが容易になっていくよ。
図に示すとこんな感じだ。
覚えておきたい通信機器の種類
覚えておきたい通信機器の種類についてもここで押さえておこう。
すでに出てきた用語について簡単にまとめていくよ。
リピータ:物理層。電気信号を整える役割をする装置だ
ブリッジ:データリンク層。Macアドレスで通信制御する装置
ルータ:ネットワーク層。IPアドレスの振り分けを行う装置
ゲートウェイ:アプリケーション層。異なる方式のネットワークを繋げる(ルータに埋め込まれていることが多い)
なんとなくサブネットマスクとIPアドレスは住所と照らし合わせて理解できてきたんですけど、IPアドレスってもうつけることなくなったりしないんですか?
255.255.255.255ってことは全部で「2^32 = 約43億」分しか割り振れないってことじゃないですか?
良い着眼点だね~、計算の仕方も合ってる!
まさにその通りだIPアドレスはすべて異なるべきなのに「約43億」分しか割り振ることができない。
早々なくなりそうに思えないけど、人口×1のスマホやパソコンが当たり前になっている現代、ギリギリになってきているんだ。
これを解決するためにIPアドレスを32桁から128桁にしようという動きIPv6なんてものがあるんだ。
これによって「約43億」分しかないIPアドレスの枠が3.4億×1,000兆×1,000兆となってすべてのIPアドレスが割り振れられることはほぼなくなるんだ。
他にもプライベートアドレスとグローバルアドレスという考え方もあるけどITパスポートでは名前は出てくるけど注力するほど出る問題じゃないからここでは詳しい説明は省略するよ。
トランスポート層(TCP/IP)
最後にトランスポート層について話していこう。
ネットワーク層までのプロトコルでは実は、ちゃんと相手に通信が届いたかの確認ができていないんだ。
仕組みとして届くだろうってだけで届いた保証なんてものはない。
確実に届いていることを確認するためのプロトコルがトランスポート層のTCPだ。
IPとは別にポートという情報によって制御され、通信が確立できているかを確認できる。
イメージとしては郵便屋さんの配達物(通信)にハンコを押すイメージだね。
ポートがハンコで、きちんと通信が来たらポートにマークをして通信ができている確認ができる仕組みだ。
厳密には仕組みが異なるけどTCPはTCP/IPという別名も持っていたりするから覚えておいて。
まとめ
今回はネットワークを支える下位層について解説したけど
どうだったかな?
IPアドレスとかサブネットが難しそうでしたね~
もうちょい問題とか解いて自分のものにしたいです。
ぼ、ぼくはもうちょっと実践的なことも知りたいって思いました。
TCPのポートとか気になります
向上心があっていいね!TCPとかはたこに解説したこともあるから、どうしても気になる場合はそっちも覗いてみて。
IPアドレスとサブネットマスクはとにかく慣れが大事!
だからこれからいっぱい問題を解いていこう!
今回はここまで、じゃあまた次回!!!
はい!ありがとうございました!!