今回はマーケティングや技術と経営の結びつきについて解説するよ。
会社の強みを作りバンバン売っていくコツがわかってくる内容だ。
た、単純に会社で働けばいいってだけじゃない知識ってことですね。
そう、まさに会社をどう大きくしていくかや事業をどう成功させるかの知識ってことになってくる。
これを学ぶと会社がどうしてそういう考え方をしているのかってことがわかって、自分がどうやって動けばいいのかがわかってくるよ。
なんだか意識高い系の言葉でしか聞いたことない話ですけど、私もこれで意識高い系に入れるってことですかね!?
もう、十分意識は高いと思うよ。
向上心があることは素晴らしいことだからね。
じゃあマーケティングと技術と経営の結びつきについて解説していくよ!
マーケティング
いくらすごいものを作れても、マーケティング能力がないと売れない。
マーケティングっていうのは、ユーザのニーズを掴みそれを生産し、最適な販売経路に乗せる活動のことなんだけど、単に技術力を活かした製品ではユーザは欲しいとは思ってくれないってわけ。
だからこそ、きちんとユーザが欲しいと思っているものを作れるような市場分析が重要になってくるんだ。
マーケティングに関する戦略についてここでは紹介していくよ。
アンゾフの成長マトリクス
経営戦略を定めたりマーケティングをするために使われるマトリクスだよ。
製品と市場から4つの成長戦略を導き出すんだ。
市場浸透:今ある市場で今ある製品をより多く売っていく戦略。ブランド強化、低価格化など
市場開発:新しい顧客に今ある製品を売っていく戦略。海外展開など
製品開発:今ある市場で、新しい製品を売っていく戦略。モデルチェンジなど
多角化:新しい顧客に新しい製品を売っていく戦略。大学が温泉を経営するなど
前回やったSWOT分析と組み合わせることで、どういった製品を作ればいいのかが見えてくるよ。
ライバル会社より強みを持つ戦略
ライバル会社よりも強い魅力を持つことでマーケティングを制する方法もある。
競争対抗戦略は、市場での企業の地位により取るべき戦略を分類する考え方だよ。
リーダ、フォロワ、チャレンジャ、ニッチの中で自分の会社にあった戦略を選んでいく手法だ。
それぞれ種の戦略については下の表で確認してね。
リーダ | 新しい商品の投入、全ラインナップを売るなどの王道戦略 |
フォロワ | 二番手、リーダの二番煎じなどで確実な利益を狙う戦略 |
チャレンジャ | リーダ企業の弱そうな分野や地方を狙う、一発狙い戦略 |
ニッチ | マニアしか目を向けない市場の隙間を狙う戦略 |
差別化戦略はライバル会社と異なるアプローチで製品を作っていく戦略だよ。
製品は放っておくと似たり寄ったりのものになってくるから、あえて尖った部分を出す戦略だ。
これによって大当たりすれば市場を独占することもできる。もしも市場のニーズから外れてしまったら…わかるよね?
ブランド戦略もライバル会社との差をつけるための戦略だよ。
Appleのように一定以上のファンを獲得する戦略で、会社名で製品を買ってくれる顧客を生み出すのがブランド戦略のゴールだ。
いかにブランド名に価値を生み出せるかが重要になってくる。
マーケティングミックス
ものやサービスを売ろうとする中で、色々な戦略や手法を組み合わせていく。
そんな手法の組み合わせを体系化したのがマーケティングミックスだ。
4Pが有名で、4Pに沿ったマーケティングに力を入れていくことがおすすめだね。
Product(製品)Price(価格)プロモーション(広告)Place(流通)の四つの視点でどう売ればいいかを考えていくんだ。
ただ4Pは売り手の事情が大きい部分が否めないから昨今では4Cというマーケティングミックス手法も出てきている。
CustomerValue(顧客価値)Cost(消費者が買うコスト)Communication(サポートなどの需実度)Convenience(利便性)という顧客視点で見た時の製品の見え方によってマーケティングをしていく手法になる。
4Pと4Cを組み合わせることで、顧客視点からも売り手視点からもより良いものを作り出すことができるだろうね。
イノベータ理論
イノベータ理論とは、新商品を購入する態度、速度によって消費者を5段階に分けた理論のことだよ。
イノベータ:冒険好き
オピニオンリーダー:流行に敏感、アーリーアダプタとも言う
アーリーマジョリティ:やや慎重、平均より早い
レイトマジョリティ:懐疑派、普及待ち
ラガード:伝統になるまで待つ
全く新しいスマホが出た時に、すぐに買って試すのがイノベータで、ニュースやTwitterで話題になっていれば買うのがオピニオンリーダー
周りの人が買い始めたと感じたら買うアーリーマジョリティ、多くの人が持ち始め口コミなども充実してきたタイミングで買うのがレイトマジョリティ
ほぼ全員が持っている状態になったらようやく買おうと動き出すのがラガードだよ。
どのひとが良いか悪いかではなく、人間の性格上こういった分類があるから新商品がどのスピードで普及するかの目安にしようという理論だ。
レッドオーシャン、ブルーオーシャン
マーケティングの世界でよく聞く言葉、レッドオーションとブルーオーシャンについても解説しておこう。
レッドオーシャンは、競合製品がひしめき強烈な競争が行われている市場を表すよ。
昨今だとYouTuber業界がまさにレッドオーシャンだと言えるね。
ブルーオーシャンはレッドオーシャンの逆で、競合製品のない穏やかな市場だ。
最近だとAIを使った事業とかかな。
ブルーオーシャンは性質上、売れる!ってわかったらすぐにレッドオーシャン化してくるから、ブルーオーシャン時代にどれだけブランド力や地盤を固められるかが重要になってくるよ。
とはいえ、どんなレッドオーシャンにもブルーオーシャン的要素はあったりする。
ブルーオーシャンの見つけ方とかはITパスポートの範疇ではなく経営学の世界だから、気になる場合は「ブルーオーシャン戦略」って言う本を読むと結構学びになると思うよ。
会社って色々なことを考えながら、仕事をしているんですね~
そうだね。
難しいことも多いけど、要するに顧客に何がウケるのかを考え分析しながら満足される製品づくりが大切って話にはなってくるよ!
どんな会社も社会のため。
幸せで、いいですね~
MOT経営と技術を切り離さないで!
一般的に経営者は技術者のことを考えず、技術者は経営のことを考えなかったりする。
経営者は売れるものを重視するから、技術者の高度な技術なんかよりも売れる製品を低コストで作って欲しい。
技術者は高度な技術こそ最高の喜びとして、売れるもの以上に時間やお金をかけてまだこの世にないものを作り出そうと考える。
どっちがいいのではなく、どっちも大事な考え方なんだ。
こんな製品やサービスがあればきっと売れる!そのために〇〇ができる新技術が欲しい!と言う考えこそが本来あるべき姿なんだよ。
こういった技術と経営を一体に考えるのをMOT(技術経営)と呼ぶんだ。
企業で起こるイノベーションは2種類
企業で起こるイノベーションには2つの種類がある。
プロセスイノベーションとプロダクトイノベーションだ。
プロセスイノベーションとは、開発工程や製造工程などモノを作る過程で起こる革新だよ。
トヨタのカンバン方式などが該当する。
プロダクトイノベーションとは、製品そのものの革新だよ。
スマホという概念を作ったiPhoneやエンジンで動く車などの製品たちが該当する。
プロダクトイノベーションは生まれるまでは大変な苦労があり、全く新しいものだけど、すぐに類似品が出てくるのも特徴なんだ。
新しいアイデアかつ素晴らしいからこそ、真似する人もいっぱい出てくる感じだね。
イノベーションついでにイノベーションのジレンマという言葉も覚えておこう。
イノベーションのジレンマとは、新しい製品について市場はすぐには受け入れられないということだ。
iPhoneも発売当初からバカ売れしていたわけではない、イノベータ理論でのイノベータから徐々に市場に広がりをみせ最終的に市場全体に広がった経緯がある。
どんなに新しくて素晴らしいアイデアもすぐに爆発的に売れるというわけではなく、イノベーションのジレンマ、発売とバカ売れには時間差があることを覚えておこう。
新しいアイデアを創出する方法
せっかくなら新しいアイデアで良い製品を作りたいと思うものだ。
新しいアイデアを創出する際には色々な考え方のコツというのがあるよ。
デザイン思考やハッカソンと呼ばれるものは、まさにアイデアを生み出すための考え方だ。
デザイン思考とは、問題解決のための取り組みのことを指すよ。
人間を中心にすえ解決策を考える思考方法で、共感、問題設定、アイデア出し、プロトタイプ試作、テストのプロセスを繰り返すという手段を取ることで新しいアイデアから製品を生み出す過程をわかりやすくしてくれる。
ハッカソンは、ハックとマラソンを合わせた造語で、与えられたテーマに対して複数のチームが成果物を構築するイベントだよ。
丸1日~数日間で行われるイベントで、技術力を使ってどのようなアイデアの製品ができるのかプロトタイプを作るんだ。
これによって技術を製品にするアイデアを競争力を持ちながら実施することができる。
デザイン思考やハッカソンを利用して新しいものは、今もどんどん生まれ続けているんだ。
ちなみに、もっと根本的なアイデアってどうやったら閃くのかっていうのを知りたい場合は「アイデアのつくりかた」という本を読んでみるといい。
短いのにここまでひらめきやアイデアの出しかたがわかりやすく書かれている本は他にはないよ。
技術開発から市場拡大までの道のり…
技術開発から実際に市場に出るまでには色々な谷や壁なんかがあるんだ。
まずは「魔の川」だ。
魔の川は、研究段階から、製品の開発段階に移行する時に現れるハードルだよ。
研究で何らかの成果が出たとしても、それがすぐに製品やサービスに結びつくとは限らない。
ブラックホールの解明ができたからといって、その研究結果をすぐに製品に結びつけることはできないというハードルだ。
続いては「死の谷」。
試作段階では一つだけ作ればよかったものの、市場に出すのであれば大量に作る必要が出てくる。
一つなら何とかお金と時間をかければできるものの、市場に出すほどの大量となると採算が合わなくなってしまう現象だ。
いかに良い製品でも会社として儲けが出ないと市場に出そうとはならない、このハードルのことを死の谷と呼ぶよ。
製品として発売されたとしても、「ダーウィンの溝」も待っている。
製品として成功したとしても、持続可能な事業と捨ためにはこれまたハードルがあるってこと。
ひとときのブームで、売れたけどそのあとは一切売れなくなるなんてことはよくある話なんだ。
長い目で見た時に売れ続ける製品やサービスというのが重要だってことだね。
せ、製品を生み出すってすごい大変なハードルを越えなきゃいけないんですね…
そうだね。
だからこそ市場に出てきたものはかなりのクオリティでおおよその採算が取れるものばかりだと言えるね。
ただ最近ではクラウドファンディングなどで作る前から技術やアイデアでお金を集める方法もあるから、一概にこれらのハードルが全てあるってわけでもない。
単純に技術が見つかれば即売れるってわけではないってことだけ押さえておけばいいよ。
まとめ
今回は、マーケティング手法や新しい製品が生み出される話について紹介してきたけど
どうだったかな?
マーケティングでライバルと差をつけるっていうのはかなり勉強になってITだけじゃなくどんな会社にも当てはまることだなって思いました。
ぼ、ぼくは今研究室で研究を進めているんですが、その研究は即お金にならないなーなんて考えたりしました。
研究は大事だけど、それでどうやって社会に貢献してお金を稼げるようにするのかが経営の面白さであり大変さでもあるね。
ぜひとも若い君たちには面白いアイデアで世界を変えてほしい!
てっぱん先輩だって若いじゃないですか!!
ふっふー(その言葉が聞きたかった…!)
じゃあ、気分もいいし今回はここまで!じゃあまた次回!!
はい!ありがとうございました!!